給湯器が故障する理由や給湯器のどこが壊れるのかは、一般の方にはあまり知られていません。そのため給湯器が故障しても、詳しい人に相談したり、直してもらったりということが難しい種類の製品です。
ただし、給湯器の故障箇所や原因を知ることで、修理対応になるのか?自分で対応できるのか?もしくは交換しなくてはいけないのか?など、トラブル時の対処方法も知ることができます。万が一に備え、給湯器の故障について詳しくお教えいたします。
給湯器が故障する原因
①寿命
給湯器にも耐用年数があります。平均耐用年数は約8~10年と言われています。これは給湯器本体内部の部品の耐用年数とも言えます。プロの修理マンや職人もこの耐用年数を念頭におきながら修理または交換工事を行っていきます。10年以上経過した給湯器が故障した場合に交換を勧められることが多いのは、一時的に修理しても耐久年数を過ぎた給湯器は再び故障する可能性が高いためです。
②過度な負担
給湯器に過度な負担がかかるような使い方をすると、平均寿命を大きく下回って故障してしまうことがあります。
「過度な負担」とは家庭用の給湯器を業務用として使用したり、号数の能力を超えて給湯器を使用し続けたりすることによって起こります。例えば2人暮らしを想定して16号の給湯器を設置していた場合、ご家族の人数が多くなり従来以上にお湯を使う量が増えてしまうと給湯器に過度な負担がかかってしまい故障に繋がってしまいます。
③凍結
雪が降るような寒い日に配管に溜まった水が凍結し、配管を破損させてしまうことがあります。配管は一度破損してしまうと修理が必要となります。
④雨の影響
大雨や台風の後などに、激しい雨の影響により一時的に給湯器に不具合が起こることがあります。
給湯器は一定量の雨風を想定した上で設計されていますが、一定量以上の激しい雨風のときには給湯器内に雨が入り込んでしまい、点火しづらくなることがあります。古くなった給湯器では、内部のホコリやゴミが湿気ることでトラブルが発生しやすくなります。
給湯器が故障してしまう箇所
①リモコンの故障
給湯器本体の操作は風呂場や台所に設置されているリモコンで行います。リモコンが故障してしまうとお湯の温度調整や自動湯足しなどができなくなります。
またリモコンは、よく押すボタンが壊れてしまうことがあります。リモコンも部品供給が終わると修理が出来ず、交換しなければなりません。リモコンを取替えるときは、給湯器本体との互換性があるものであれば様々な機能がついたものを選ぶことができます。
②配管からの水漏れ
給湯器には本体内部にお湯と水が通る配管があり、外部にも給水、給湯用の配管がのびています。本体内部の配管から水漏れが起きると漏電を引き起こす可能性があり危険です。必ず修理を依頼してください。また、外部の配管から水漏れがおきても修理が必要となります。
水漏れの原因の多くは、給湯器内部の配管やパッキンなどが劣化しているサインです。給湯器を8年以上お使いの方は、修理より交換することをオススメします。
③給水バルブの故障
配管の給水バルブがどんな役割かご存知ですか?給水バルブは給湯器のメンテナンスを行うときに使用します。
また給湯器内部の配管から水漏れしたときも給水バルブを閉めることで水漏れを一時的に止めることができます。(ただし、その間はお湯を使うことができません。)給湯器の交換を行う際は給水バルブが故障していないか必ず確認します。
④基盤の故障
給湯器内の電子機器に長年のホコリなどが蓄積し、湿気等とあいまって基盤がショートする場合があります。この場合は基盤は修理ではなく交換になり、高額になるケースが多くなりますので、交換も検討する必要があります。
故障してしまったら、まず何を確認すればいいの?
では次に、不具合が起きてしまった給湯器のチェックポイントをご紹介いたします。故障を疑ったときは、リモコンに点滅しているエラーコードを確認しましょう。エラーコードによって故障箇所、原因、対策や概算の修理費用を確認することができます。
リモコンがない場合、エラーコードが出ていない場合は以下のことを確認してみましょう。
給湯器のトラブルと対処法
①お湯は出るが、追い焚きができない
フィルターが汚れている可能性があります。循環アダプター(お湯と水の出入り口)についているフィルターを確認して下さい。フィルターにゴミや髪の毛が付着しているとお湯と水の循環不良を起こし、追い焚きがストップしてしまいます。循環アダプターのフィルターは、定期的に掃除をしてください。(参考:循環アダプターのフィルター掃除方法 – ノーリツ)
フィルターに詰まりがない場合はポンプが不具合を起こしている可能性があります。メーカーに修理を依頼しましょう。
②追い焚きはできるが、お湯が出ない
・コンセントリセット
本体内部でのエラーが発生した場合、見た目ではわかりません。内部のエラーはコンセントリセットによって解消できる可能性があるので、一度試してみましょう。 コンセントリセットは給湯器本体の電源コードプラグをコンセントから一度抜いて、再度さすことによって行います。またマンションなどの集合住宅の場合はコンセントがないことがあります。その場合ブレーカーを落として給湯器本体をリセットさせてください。
・給水フィルターが汚れていませんか?
給水フィルターが汚れ、フィルターにゴミなどが詰まっている可能性があります。給水フィルターは異物が紛れた水道水が給湯器内部の配管に流れ込むことを防ぐものです。給水フィルターが詰まると流れる水の量が少なくなり、一定量の流水が確認できないと給湯器は稼働しません。通常水道水に異物が紛れることはありませんが、近所で水道工事があったときに水道管の錆などが水道水に紛れ込んでしまうことがあります。※給水フィルターの掃除は修理業者に依頼してください。
・給湯器配管が凍結していませんか?
冬に給湯器の配管が凍結し、配管内の水が凍ってしまった場合も配管内の水の流れが悪くなることがあります。この場合も給湯器が着火せずお湯が出ないといった症状がおきます。凍結はご自分で予防することもできますので、こちらのページから詳細を確認してください。凍結した場合は自然解凍されるのを待つか、配管にぬるま湯をかけて解凍しましょう。
③お湯も出ないし、追い焚きもできない
・ガスメータが止まっていませんか?
ガスの開通確認をしてください。 ガスメーターは小さな地震や衝撃でも安全装置が稼働し、ガスの供給をストップさせてしまいます。
・リモコンの電源スイッチはオンになっていますか?
意外に見落としがちなのが、電源スイッチの押し忘れです。雷などが原因で停電が発生するとリモコンの電源が切れてしまいます。停電が改善してもリモコンは切れたままになっているので、停電のあとは必ずリモコンを確認してください。
・電源プラグやLPガスボンベは確認しましたか?
その他に考えられる原因としては、電源プラグが抜けていたケース。LPガスを使用している場合、ボンベのガスが空になっていたという方もいらっしゃいます。
故障のリスクを少なくするには?
給湯器故障のリスクを少なくするには、既にご説明した「原因」を解消することが一番です。以下の点を確認してみてください。
①給湯器を取り付けてから何年経っていますか?
現在使用中の給湯器が問題なく使用できる状態でも、利用年数が8~10年を過ぎているといつ何時故障するかわかりません。今一度給湯器の利用年数を確認してみましょう。
給湯と追い焚きを行う回路は分かれているので、同時に故障するということはめったにありません。ただどちらかが壊れてしまうともう片方も故障の時期が迫っていると考えてください。
そのため、8~10年を過ぎた給湯器は修理よりも交換がお得な場合もございます。何度も故障と修理を繰り返して、修理代の支払いを重ねていくよりも、思い切って交換した方が無駄な出費を抑えることができます。 詳しくは「修理と交換どっちがお得?」をご参照ください。
②設置当初とご利用状況が変わっていませんか?
給湯器を長年使用していると、ご家族が増えた、お湯を使う量が多くなったなど生活環境も変わってくると思います。給湯器の号数の能力を超えてお湯を使っている場合は、給湯器に負荷がかかるため耐久年数より早く故障してしまう可能性が高くなります。
快適にお湯を使うという意味でも、故障する前に早めの交換をお勧めいたします。
上記いずれかに当てはまる場合、また不具合が多く給湯器の状態に心配がある場合は、一度当店にご相談ください。故障の頻度やご利用年数、ご利用状況などから適切な交換時期などをアドバイスさせていただきます。最近給湯器の調子が悪いと感じる場合には、 「給湯器交換・修理完全対応マニュアル」記事もぜひご参照ください。また、完全に壊れてしまう前にお見積りを取っておくことをお勧めします。